北海道浦幌町のアイヌ民族の団体では、大学に保管されていたアイヌの人たちの遺骨が7年前に裁判を通じて返還されたことを受けて、神に祈りをささげて、先祖を供養する「カムイノミ・イチャルパ」と呼ばれる伝統の儀式を行うようになりました。
ことしの儀式は、およそ60人が参加して18日行われ、はじめにアイヌの民族衣装を着た団体の会員などがいろりの前で、祈りのことばとともにお酒をささげました。
このあと、用意された祭壇に柳の木を削って作った「イナウ」と呼ばれるアイヌの祭具を立てたり、果物などを供えたりして先祖を供養していました。
この団体では、会長を務めた差間正樹さんが遺骨の返還などを通じてアイヌ民族の権利回復に取り組みましたがことし2月に亡くなり、今回は差間さんのおいの啓全さんを中心に儀式が行われました。
新たに団体の会長になった差間啓全さんは「準備は大変でしたが、なんとかやり遂げられました。私たちを引っ張ってきた正樹さんの思いを引き継いでいきたいです」と話していました。