旧優生保護法のもとで不妊手術を強制された人たちが国を訴えた裁判をめぐっては、7月、最高裁判所が憲法違反だったとして国に賠償を命じる判決を言い渡し、政府や国会では被害者への補償に向けた検討が続けられています。
旧優生保護法をめぐっては、全国でこれまでに39人が訴えを起こし、およそ20人の裁判が続いていますが、弁護団は早期解決のため国との交渉を行っていて、弁護団と国によりますと、20日の交渉で、国は和解に向けた基本合意案を弁護団に示したということです。
基本合意案では、▽国が原告に謝罪をすることや▽手術を受けた原告で地裁の判決が出ていない場合は本人には1500万円、配偶者に200万円の慰謝料を支払うことで和解することなどが盛り込まれたということです。
ただ、夫婦で原告になっている場合はあわせて1500万円になるということです。
また地裁で国に賠償を命じる判決が出ている場合は、その額で和解するということです。
国と弁護団は最終的な調整を進め、近く正式に基本合意する見通しです。
一方、裁判を起こしていない人も含めた補償法については国会で議論が続いていて、弁護団は、▽被害者本人に1500万円、▽配偶者に500万円を支払うよう求めています。