山形県米沢市生まれの細江さんは、17歳の時に撮影した写真が「富士フォトコンテスト」の学生の部で最高賞を受賞したのをきっかけに写真家を志し、東京写真短期大学で専門的に写真を学びました。
1963年に発表した三島由紀夫をモデルとした写真集「薔薇刑」では、肉体をモノクロで捉えた、たん美的な世界を表現し、それまで写真表現の主流だった現実をそのまま捉えようとする「リアリズム」の流れに一石を投じ、写真家としての評価を確立しました。
また、舞踏家の土方巽をモデルに東北地方の農村の風景を幻想的な視点で切り取った、写真集「鎌鼬」で芸術選奨文部大臣賞を受賞しています。
作品は海外でも高く評価され、国際的な賞も数多く受賞するなど、世界的な写真家として長年活躍を続けました。
こうした功績が評価され、2010年には文化功労者に選ばれています。
関係者によりますと、細江さんは今月16日、病気のため亡くなったということです。91歳でした。