去年3月、京都府亀岡市の通称、保津川で、観光客と船頭合わせて29人が乗った川下りの舟が転覆し、全員が川に投げ出され、船頭の男性2人が死亡したほか、観光客合わせて19人が打撲や低体温症などのけがをしました。
この事故について国の運輸安全委員会が調査報告書を公表しました。
それによりますと船頭は前方に3人、後方に1人の合わせて4人乗っていて、このうち後方の船頭がかじの操作を誤ってバランスを崩し、川に落ちたということです。
このため、前方にいた船頭の1人が後方に移動してかじを取ろうとしたものの、持ち手が川につかった状態から元に戻せず、操だできないまま岩場に乗り上げ、転覆したと結論づけています。
救命胴衣については、死亡した船頭2人のうち1人は着用しておらず、もう1人の手動式のものは膨らんでいなかったということです。
また、観光客は手動式を着用していた12人が適切に操作できず、空気が十分に入っていなかったということです。
そのうえで、再発防止のため、船頭の落下防止の措置をとることや、救命胴衣の着用の徹底、操作方法の十分な説明が必要だと指摘しています。
運航会社は事故のあと、船頭の転倒や落下を防止するためロープやストラップを舟に取り付けたほか、浮力材が入った救命胴衣などをそろえ、乗船時に着用を義務づけているということです。