去年1月、成田空港の貨物地区の駐機場で香港から到着した全日空の貨物機ボーイング767型機が作業用の車両に衝突する事故が起こりました。
貨物機は着陸後、駐機場まで自走していましたが、旋回した際に雪の影響で凍結した路面でスリップし、近くに止まっていた作業用の車両に衝突して機首などが損傷しました。
国の運輸安全委員会はその後、事故の調査を行い、報告書をまとめました。
それによりますと、地上作業の担当者は事前に路面へ凍結防止剤を散布するなどの対応を取りましたが、量や範囲が不十分だった可能性が高く、貨物機は減速して走行したものの、スリップして制御できなくなったということです。
また、路面状態についての情報がパイロット側に十分に伝わっていなかったとしています。
運輸安全委員会は、再発防止策として
▽凍結防止剤の散布量や範囲など具体的な手順を定めること
▽路面の状態などについて地上側からパイロットに確実に情報提供することが重要だとしています。
全日空は「事故を受けてすでに駐機場の周りの路面調査を実施しており、今後も事故防止に向けた対策を徹底していきます」としています。