福島県須賀川市にある農業用ダムの「藤沼湖」は東日本大震災で堤防が壊れて、150万トンという大量の水や土砂が下流の住宅を押し流して、7人が死亡し、当時1歳の男の子の行方が分からないままになっています。
地元に住む人たちは毎年3月に犠牲者を追悼する式典を開いていて、10日は遺族などおよそ30人が参列しました。
式では3年前にダムの近くに建てた慰霊碑に向かって1分間の黙とうがささげられました。
その後、参列した人たちが献花台に花を手向けると、手を合わせて、犠牲者に思いをはせていました。
祖母のさつきさん(当時86)を亡くした和智裕子さん(40)は「祖母を助けられなかった後悔がずっと残っているので、何かあったときに後悔しないような行動や選択をとりたいと思います」と話していました。
式典の実行委員長を務めた柏村國博さんは「当時の記憶が薄れてきている中で能登半島地震が起き、13年前の記憶が呼び起こされました。今後、この出来事をどのように伝承するかが課題だと感じています」と話していました。