2016年に山梨県内のスーパーで販売された自社のツナの缶詰に虫が混入していた問題をめぐり、「はごろもフーズ」は「ブランドのイメージが傷つけられ売上高が減少した」と主張して、製造した静岡市の下請け会社「興津食品」に賠償を求める訴えを起こしました。
静岡地方裁判所はおととし、下請け会社に1億3100万円余りの賠償を命じる判決を言い渡し、会社は「製造契約を打ち切られて事業が廃止している中、賠償を命じられるのはあまりにも酷だ」として控訴しました。
東京高等裁判所では、ことし1月ごろから和解に向けた話し合いが行われてきましたが、11日の協議で裁判所が示した和解案に双方が合意し、和解が成立したことが、関係者への取材でわかりました。
「はごろもフーズ」は「和解が成立したのは事実だが、内容についてはお答えできない」としています。
「興津食品」の池上浩司社長は「裁判所が良識ある和解案を提案してくれたので、同意しました。およそ8年間、何の事業も行えずにいましたが、ようやく将来に向けて、事業をどうするか考えることができ、ほっとしています」と話しています。